正解は…
D「HPVは誰でも感染し得る身近なウイルスで、ワクチンは一部の型への感染と関連する病気のリスクを下げる」
- HPVは「ヒトパピローマウイルス」の略で、主に性的な接触によって、皮膚や粘膜から感染します。性的な接触を経験する人であれば、性別にかかわらず誰でも感染する可能性がある、身近なウイルスです。
- HPVには多くの「型」があり、その一部は子宮頸がん、肛門がん、中咽頭がん、陰茎がん、尖圭コンジローマなどと関係しています。
- HPVワクチンは、特に病気の原因になりやすい複数の型への感染を予防し、将来、HPVに関連する病気にかかるリスクを下げます。ただし、すべての型を防ぐものではありません。
他の選択肢が適切ではない理由
A「HPVに感染した人は、性行動や人間性に問題があったと考えてよい」
- HPVは非常に身近なウイルスであり、性的な接触の経験がある人なら、誰でも感染する可能性があります。交際相手が一人でも感染することがあり、感染したことから、その人の性行動や人間性を判断することはできません。
- HPVに感染した人を責めたり、恥ずかしいことだと考えたりするのは、偏見や差別につながります。感染は「誰かが悪い」という問題ではありません。
B.HPVワクチンは、すでに感染しているHPVを体から取り除く治療薬である
- HPVワクチンは、これから起こるHPV感染を予防するためのワクチンです。すでに感染しているHPVを体から取り除いたり、すでに生じている病気を治したりする薬ではありません。
- そのため、HPVに感染する前に接種すると、より高い予防効果が期待できます。一方、ある型のHPVに感染したことがあっても、まだ感染していない別の型への予防効果が期待できる場合があります。
C.HPVワクチンを受ければ、すべての型のHPVを防げるため、将来の子宮頸がん検診は必要ない
- HPVには多くの型があり、ワクチンですべての型への感染を防げるわけではありません。そのため、ワクチンを接種した人も、将来、対象年齢になったら定期的に子宮頸がん検診を受けることが大切です。
覚えておきたいこと
HPVについて、次のことを覚えておきましょう。
- HPVは、性別にかかわらず誰でも感染する可能性がある。
- 多くの感染は自然に消えるが、一部は長く続き、がんなどにつながることがある。
- HPVワクチンは、感染を予防するものであり、感染を治療する薬ではない。
- ワクチンを接種しても、すべての型のHPVを防げるわけではない。
- ワクチン接種後も、対象となる人は子宮頸がん検診を受けることが大切。
- ワクチンについて疑問や不安がある場合は、信頼できる情報を調べ、家族や医療従事者に相談できる
HPV対策は、ワクチンだけ、検診だけで完結するものではありません。正しい知識、ワクチン、検診などを組み合わせることが大切です。
みんなで考えてみよう
- HPVは誰でも感染する可能性があるのに、感染した人が責められたり、恥ずかしいと感じたりするのはなぜでしょうか。
- 感染した人への偏見があると、相談や検査にどのような影響があるでしょうか。
- HPVワクチンについて調べるとき、どのような情報源なら信頼できるでしょうか。
- ワクチンを受けるかどうかを考えるために、どのような情報が必要でしょうか。
- HPVを「子宮のある人だけの問題」にしないことには、どのような意味があるでしょうか。
ワクチンについて考えるときは、受けることや受けないことを一方的に決めつけず、効果と副反応について正しい情報を得たうえで、本人の気持ちを大切にしながら話し合うことが重要です。