ゆるっと性教育がめざすもの
わたしたち「ゆるっと性教育」は、日本社会のなかでいまだタブー視されている性に関するさまざまな問題に対して、教育・医療・福祉などの専門家をはじめ、さまざまな人が手を取り合い、企業や学校、市民に対して協働的、学術的にセクシュアリティ教育を推進していきます。
講演や研修、さまざまな形での啓蒙活動などを通じて、性に関する正しい知識を学ぶ場を広げ、ひとりひとりの幸せを増やし、人権意識の向上と差別のない社会の実現に貢献していきたいと思っています。

性に関するあらゆる事柄は、恥ずかしさや扱いにくさなど、どこか近づきにくい印象がまとわりついています。
私たちは、近づきにくい性の話題に、ちょっとでも触れやすく、語り合いやすい場を作っていくために、温かくて好奇心を刺激されるようなゆるっと考えることができる環境をつくっていきます。

ゆるっと性教育が大切にしていること
ゆるっと性教育は”人としてのあり方”である性を中心に据えながら、「理解する」「親しくなる」「触れ合う」という3つの柱を大切にして活動を行なっています。

3つの柱のまわりには、ユネスコが作成した『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』の8つのコンセプトを置いていて、ガイダンスにもとづいた教育を通して3つの柱を少しずつ太くしていきます。
3つの柱について、もう少し詳しくお伝えしていきます。
1つ目の柱・理解する
人としてのあり方を問い続け、定めていくためのひとつ目の柱は、「理解する」です。
理解するというのは、自分と他者、この2つの存在の心と体について理解するということです。
自分の心や体はどんなふうになっているのか。
今、自分は(相手は)どんな気持ちなのか。
そして、体のひとつひとつの部分はどんな感覚を感じているのか。
その感覚は、心地よいのか、嫌なのか。
つまり、快-不快についても知ること、それが自己理解と他者理解にもつながっていきます。
とくに、「相手はこう感じているのではないか」、「もしかしたら、嫌な気持ちになっているかもしれない」、「こんなふうにしたら、喜んでくれるかもしれない」、このような推測は、他者の心を感じる力につながっていくことでしょう。
体を入り口にして心を理解する。
心を入り口にして体を理解する。
心と体は深く関連し合いながら、自分と他者の理解に重要な要素となっています。
2つ目の柱・親しくなる
「親しくなる」とは、関係性をつくるとも言えます。
関係性は、顔見知り程度の関係から、親密な関係性まで、幅広く存在します。
そういったグラデーションのある関係性のなかで、どうやって社会の中でコミュニケーションをとっていくのか。これは簡単ともいえますし、一方でとても難しいと感じることもあります。
人と人との関係は、まず「相手のことを知る」という段階から始まります。そこから、声をかけ合ったり、話し合ったりを重ねることで、少しずつ深まっていきます。
この関係を築いていくうえで大切なのは、相手を馬鹿にしたり見下したりするような上下関係を持たないことです。代わりに、相手の良いところに気づいたり、自分のことを理解してもらえたと感じることで、安心感が生まれていきます。
信用や信頼がどうやって作られるのかを考えながら、頼れる大人や友人を見つけたり、相談相手が見つけられるようになることも目指していきます。
3つ目の柱・触れ合う
関係性をつくっていったその先には、より親密な関係があり、触れ合うことも増えてきます。
たとえば、ただ言葉を交わすだけではなく、
「この人は自分のことをちゃんとわかろうとしてくれている」
「この人になら、本音を話してもいいかもしれない」
そんなふうに感じる瞬間、心と心が触れ合っていることを感じられます。
手をつなぎ、ぎゅっと抱きしめ合うとき、心と体が触れ合っていると感じることができます。
現在の日本では、性犯罪のニュースが増えて、触れることのポジティブな面が隠れてしまいがちです。
どうやって自分の体を守るのか。もちろんそれも必要なことです。
ただ、それを理解したうえで、まずは人の基盤となる感覚として,触れ合い,安心感を感じること,愛情を感じることも大切にしていくことを目指していきます。
ゆるっと性教育の活動
過去+現在おこなっている活動ご紹介します
性教育の普及
このホームページで、性教育の知識の提供、そして性教育の方法について伝えていきます。
こちらをクリックしてご覧ください。
性教育のはじめかた
オンライン授業・ワークショップ
メルカリの社員さん向け「性教育入門」
- メルカリの社員さんの中に子育てサークルがあり,そのメンバーの方たちのお昼休みにお邪魔してお話しさせていただきました!
- 現在の性教育の動向や子どもとのふれあいのなかでのセクシュアリティの視点など,ちょっとしたことですが,子どもにとってよい影響になると思います。
- 子育てされているパパママ社員さんたちの少しお役に立てたかなと思います!
保護者さん向け「絵本を通して親が学ぶ性教育の3つの心構え」

- いきなり性教育を実践するのってとても難しいっ!って思いますよね。そんなときには,普段から使っている絵本を使ってみるとスムーズに性教育が始められます。
- このオンラインセミナーでは,性教育の方法を伝えるだけではなく,子どもに性教育を伝える私たち親の心構えを強調してお伝えしました。
- 肩に力が入ったり,うまくできなかったらどうしようという不安があったり…そういったものがすべてなくなるような内容を作りました。
- 参加者の方が「元々考えていた性教育のイメージを大きく変えるような内容だった」と感想を送ってくださりとっても嬉しかったです!
出前授業
小学校
- 小学校低学年〜高学年まで,そして個別支援学級まで,たくさんの生徒さんたちを対象に小学校で出前授業をさせてもらいました。

- 小学校の生徒さん向けでは,「プライベート・ゾーン」「2年生生活科:広がれわたし」など,寸劇や生徒さんたちへのクイズなど,双方向のやりとりを通して学んでいきました。
発達支援放課後デイサービス
- 発達障害や知的障害のお子さん向けの出前授業です。公園に遊びに行く前の大切な時間を使って,みんなで「プライベート・ゾーン」や「体の自己決定権(bodily autonomy)」についてお話ししました。
- クイズや体を動かして学ぶゲームも入れたので,みんな笑顔で動きながら楽しみました!
研修
教職員向け研修(対面)

- 小学校の教職員,中学校の教職員向けに性的マイノリティの生徒に関する研修を行っています。
- 生徒支援の具体的な方法としての会話スキルの研修を行っています。

教職員向け研修(オンライン)
- クアラルンプール日本人学校(小中学部@マレーシア)の教員向け研修をオンラインで行いました。

セックスに関する語り合い
Talk about Pleasure
セックス観,セックスの悩みなど,セックスにまつわる話題について,少人数で,安全な場で語り合います。

4人前後の様々な組み合わせの人たちで,互いの考えや発言を尊重しながら,やさしい語り合いが行われました。
ここ数回はオンラインで,顔出しで行いましたが,今後は対面での開催なども含めて準備していきます。