私のこと,とくに私がなぜ性教育の活動をしているのか,どのような考え・想いを持っているのか,についてここではまとめていきます。
また,みなさんに性に関する情報をお伝えするにあたって,私がこれまでどのようなことをしてきて,どんな特徴をもっているのかを知ってもらい,ぜひ一緒に楽しい未来を作っていけたらと思っています。
なぜ性教育の活動をしているのか?
ゆるっと性教育は,これまで大切に温めてきた思いがようやく形になったものです。
でもそれはポジティブな想いだけではなく,目の前の問題をこのまま放置できないという問題意識でもありました。
他人事ではない性暴力
ゆるっと性教育の立ち上げに直接的に影響したできごとがあります。
1つは,友人の子どもが受けた性暴力です。
もう1つは,友人が受けた性暴力です。
それぞれ別の友人から打ち明けられた話でした。
こんなに近い友人が被害に遭ったという驚きと,被害者がどれほどのつらさを持ってこれから生きていかなくちゃいけないのかという想像できない状況,そして加害者と被害者が置かれた状況の不公平さ。
話を聞かせてもらった後,自分の気持ちもうまく整理できていなかったと思います。
いま振り返ってみると,子どもへの性暴力には怒りの感情よりも驚きの方がすぐに出てきて,「そんなことが実際に起きるのか」という信じられない気持ちと,その時の私では何も力になれないと感じるような問題解決の難しさを感じていました。
そして性暴力を受けた友人から話を聞いた時には,手口の酷さ,卑劣さに怒りの気持ちが出た一方で,私には話を聞くしかできず,対処の方向性がわからない状態でした。
ただ,
このままでいいの?
いやよくないよね?
でもどうしたらいいんだろう?!
そんな気持ちが強くなってきていました。
子どもが生きる未来の社会への不安
私は大学で勤務しているので,20歳前後の女子学生と話す機会が多いです。そのなかで,気になる話をいくつか聞くことがありました。
このような話が相談のなかで出てくると,一体教育はどうなっているんだ?!ととても心配になりました。
これをきっかけに,日本の性教育がどのように行われているのかについて,小学校~高校の保健体育の教科書の内容や,あるいは男子向け雑誌・女子向け雑誌における性表現について,学生の卒業論文で調べたりしました。
そして,いかに日本では性教育がしっかりと行われていないかわかりました。
私には娘がいますが,自分の娘が生きる未来には,いったいどんな人間関係があるのだろうと,心配になりました。
最近はテレビやネットの記事で,わいせつ行為,痴漢,性暴力などについて耳に・目にすることが多くなったと思います。皆さんはどう感じていますか?
お子さんがいらっしゃる方は,お子さんが被害者になるかもしれない,加害者になるかもしれないことを考えることも少しあるんじゃないかと思います。
あるいは,自分自身がパートナーとの性的関係に関する悩みをもってらっしゃる方もいるのではないかと思います。
アダルト動画大国の日本で,ちゃんとした性教育を受けずアダルト動画を浴びて育った男性の考えや行動は,どのようになっていくのでしょうか。
こういう日本社会では,友人の子どもや友人に起きた性暴力が減ることなく,増えていくかもしれません。
やはり,何か活動を始めたい
そう思って少しずつ動き始めました。
性教育活動の特徴・専門性
わたしの強み
友人の性暴力,そして日本の性教育の問題がゆるっと性教育立ち上げのきっかけになりました。そして,ではどのように性教育を行っていくのかというときに,ひとつの方向性に気付かせてくれたのが自分自身の強みです。
私の強みは,
コミュニケーションによって相手がもっている力を引き出すこと
だと思っています。コミュニケーションに関して研究をおこなったり,自分のスキルを高めたり,ワークショップで多くの人に伝えてきて,これまで時間を使って学んできました。だから,コミュニケーション×性教育で日本中に性に関して話し合える場を作ったり,学びあえる場を作っていこうと思っています。
性教育は,私たちが目指すゴールを提供してくれるのではなく,私たちが望む人生を送るための手段を提供してくれます。
そして性教育という手段を最大限活用するために,コミュニケーションが重要となってきます。性教育の実践と普及において私の強みを発揮していきたいと思います。
経歴
コミュニケーションや性についてどのように学んできたのか簡単にご紹介します。
さまざまな職場で,師や仲間に支えられてここまで来れました。
- 2003年〜看護師として勤務(コミュニケーションが下手で,患者さんに「~すべき」という理想の行動ばかり押し付けていたと思います。そこで,自分の失敗・間違いに気づきました。この時期があってこその今です)
- 2006年〜大学院進学(2012年:人間科学博士取得)(わかっちゃいるけどやめられない,●●をやりたいけどやりたくない,という行動をどのようにかえることができるのかについてコミュニケーションの視点から研究。実は研究の中に,”性行動”も入っていて,性教育活動の種を拾っていたのです)
- 2011年〜大学教員(学生相談,医療者や患者さんの行動を変えるためのコミュニケーションを研究し,ワークショップをおこなっています)
- 2017年〜動機づけ面接トレーナー(コミュニケーションのトレーナーとしての活動も開始しました)
- 2020年〜一般社団法人ゆるっと性教育理事(念願の活動開始!)
経歴がここで終わっていますが,これからは今も学び続けているコミュニケーションを生かして,性教育を多くの人に届け,ひとりでも多くの人が今よりも幸せになるための支援者になれればと思っています。

