目的・めざすもの｜ゆるっと性教育

法人の目的

わたしたち「ゆるっと性教育」は，日本社会のなかでいまだタブー視されている性もさまざまな問題に対して，教育・医療・福祉などの専門家が手を取り合い，企業や学校，市民に対して協働的，学術的にセクシュアリティ教育を推進していきます。

講演や研修，さまざまな形での啓蒙活動などを通じて，性に関する正しい知識を学ぶ場を広げ，人権意識の向上とオープンで差別のない社会の実現に貢献していきたいと思っています。

性に関する情報は，一部メディアのコンテンツによって偏ったものとなり，それらを正しい目で見るための知識や態度を教育で身につける機会が失われています。

そして，こうして身についた偏った知識や態度は，社会の中で広がり，また一方で世代間連鎖を引き起こし，いつまでたっても問題が解決しない状況が続いていました。

しかしながら，ジェンダーの分野，医学の分野，法律の分野の努力によって，少しずつ社会に変化がおとずれています。

教育の分野としては，この社会の変革の風に乗って，意義のある，効果のある教育活動を進めていくべきだと思っています。教育は必ずしも学校で行われるだけでなく，家や地域でも行うことができます。ぜひ皆さんと教育の場を広げ，性教育を普及させていきたいと思っています。

ゆるっと性教育は下記イメージにあるように，３つの柱をイメージしながら活動を行なっています。

１つ目は「生き方のベースになる性の考え方」についてです。

性教育と聞くと，二次性徴のこと，生理・精通のこと，生殖のこと，性感染症や計画してない妊娠といったことが頭に浮かぶと思います。

もちろんこれらも性教育の中の大事な部分の内容です。

ただし，性教育に含まれる内容はこれだけではなく，コンセプト・イメージに書いたような「人間関係」「ジェンダー」「性暴力」「性の健康」といった内容も含まれるのです。

そしてこれらのことがらは，特別なことではなく，私たちの日常生活に関係していることと言えます。言い方を変えれば，生きていくために知っておくべき考えなのです。

「特にあらためて勉強なんかしなくてもそのうち覚えていくよ」と思う方もいらっしゃると思います。また実際にそのようなこともあるかもしれません。

しかし，コミュニケーション様式の変化，生活環境の変化など，大きな変化の中では，学んでいく必要があると私たちは考えています。

ゆるっと性教育のコンセプト・イメージ

２つ目は「幸福感が高まる性行動」です。

ズバリ，セックスやマスターベーションについて学び合うことを目指します。

日本は世界に誇るポルノ大国です。日本の生活の中には，一見隠れていますが，一枚皮をめくればたくさんのアダルト情報が手に入りますし，望まなくても触れることになります。

子どもたちはというと，セックスのやり方を小中高校あたりでアダルト動画やアダルト漫画から学ぶ（というか知る）ことになります。

しかしながらその内容は現実離れしていることもあったり，非常に暴力的な内容も含まれているため，アダルト動画などだけを見て育つことには大きな問題を残すことになりかねません。

そこで私たちは，できるだけ科学的で，誰か傷つく人がいないようなやり方で，セックスやマスターベーションについて学んでいきたいと思っています。

３つ目は「大人が学ぶ性のイロハ」です。

この内容は，１つ目と２つ目と重なってくる部分が多いのですが，学ぶ場を会社や地域とし，学習者を大人とする内容です。