中学生

男子中学生の体の変化

体の仕組みや変化のプロセスについてわかりやすく丁寧にまとめています。

お子さんにもご紹介ください。

なお,このページでは次の言葉が出てきます。

[陰嚢,精巣,ペニス,前立腺,精管,射精,勃起,包茎]

注意点:下に書いてある様々な体の変化は,人によって出現するタイミングや変化の早さ,程度に違いがあります。

中学生の時期は,思春期と呼ばれる時期です。まずは思春期とは何か,そして中学生男子・思春期の時期の体の変化について解説します。

思春期の定義と男子の特徴

思春期というのは,人間の成長と発達における重要な段階であり、身体的・心理的に大きな変化が起こってくる,人間の成長と発達のために非常に重要な時期のことを言います。

この時期は一般的に、子どもから成人へ移り変わる時期とされていて,個人差はあるのですが,8~10歳,あるいは10歳から19歳の間のことを指します。
※人によって発達のしかたや文化的背景によっても時期は違うので,厳密な期間を定めることは難しいと言われています。

男子の思春期は,身体的な変化が特に大きく現れる時期であり,子どもから成人へと成長する重要な段階です。

この時期には,男性ホルモンであるテストステロンの分泌が増えて,様々な身体的な変化が起こります。

これから,男子中学生時期に特に見られる体の変化について見ていきましょう。

体の変化

変化の順番

男の子の体の発達,とくに,性的な発達は下に書いてある順番で起こってきます。

  1. 陰嚢(いんのう)と精巣(せいそう)が大きくなる
  2. ペニスが長くなる
  3. 精管(せいかん)と前立腺(ぜんりつせん)が大きくなる
  4. 陰毛(いんもう)が生えてくる
  5. ヒゲとわき毛が生えてくる
  6. 射精(しゃせい)ができるようになる

声変わり

声変わり(変声期)というのは,およそ思春期の二次性徴の時に,声が1オクターブほど低くなる現象のことです(人によっては,高校生になっても声変わりが起こらないこともあります)。
※変化が起こるタイミングは個人によって違いますが,一般的に12歳から15歳頃にかけて声の変化が進行します。

人が声を出す時には,気管の入り口のところにある声帯を閉じて,肺の中の空気が口に向かって送り出されます。このときに閉じた声帯を通る時の声帯の震えが音になります(震え方によって声の高さが変わります)。

声帯でつくられた音は,口のなかで大きくなり,舌・唇・歯・ 鼻を使って言葉をつくって声が生み出されます。

声帯が声の高さに関係することがわかったと思いますが,この声帯は,甲状軟骨という軟骨が成長にともなって大きくなっていき,それとともに声帯も長く厚みを増していきます。

声帯の変化によって声が低くなり,甲状軟骨の変化によって,外見的には喉仏(のどぼとけ)といわれる部分が大きく見えるようになります。

体毛

テストステロンの増加によって,体毛が成長してきます。

顔や体の特定の部位に濃い体毛が生えるようになります。成長するペースや範囲には個人差がありますが、これも思春期の男子特有の変化です。

声変わりの少しあとくらいから陰毛が生え始めてきて,さらに少し遅れてヒゲやわき毛が生え始めてきます。

中学生のころには異性を気にすることが増えてくるので,体育の時間や部活の時間に短パンになり,そこから見えるすね毛が気になってくることも多いと思います。

最近では,割合は多くはないものの,男子中学生の脱毛も少しずつ増えてきているようです。

特に中学生の時期は,自分の体の変化が大きく出てくる時期です(声変わり,陰毛,ペニスの大きさの変化等)。また,心の変化も大きく出てくる時期です。

自分はこれでいいのだろうか。人に嫌われてしまわないだろうか。様々な不安のなかで,自分の容姿が特に気になることもあります。

ゆるっとさん
ゆるっとさん
脱毛について注意点が3つあります!

もしお子さんが脱毛について話してきた時には,すぐに行動せずに,注意点の内容のことを考えてから行動してみるといいと思います。

  1. 脱毛の方法によっては皮膚トラブルが発生する
  2. 脱毛グッズの購入トラブルも多く発生している
  3. 脱毛をする・しないについて意見はさまざま

「脱毛したいんだけど…」と子どもが話しかけてきた時,「男のくせにそんなのしなくていい」等と会話を避けたり,非難してしまうことで,子どもが相談なしに脱毛に向けて行動してしまってトラブルに遭ったり,自分の体へネガティブなイメージをもってしまうかもしれません。

子どもたちの考えに対して,すぐに否定したり注意することは避けて,彼女たちのその思いの裏にはどんな考えや願望があるのか,丁寧に耳を傾けてみてください。

中学生の脱毛トラブル

性器

ペニス

ペニス(おちんちん)には,排尿する役割生殖の役割があります。思春期になると,生殖に向けた変化(形の変化や外からは見えない部分の成熟)が起き,準備が整っていきます。

ペニスは,硬くなったり柔らかくなったりするので,筋肉でできていると思いがちです。

しかし実は,海綿体という組織でできていて,ペニスはおもに尿や精液の通り道である尿道と海綿体によって構成されています。

<図挿入>

中学生男子は,ペニスについて知りたいことがたくさんあると思います。下記の内容から興味のある内容を選んで,ペニスに関する知識を増やしてください。

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陰嚢と精巣

陰嚢(いんのう)と精巣(せいそう)も思春期になって徐々に大きくなってきます。

陰嚢というのは,精巣(よく男の子たちは”キンタマ”と言っていると思います)を包む袋のようなものです。

精巣は2つの機能をもっています。1つは精子を作る,もう1つは男性ホルモン(テストステロン)を分泌するということです。

精巣が精子を作るのですが,陰嚢が精巣を包み込んで体の外にぶら下げることによって,精子を作るのに適した温度(35度)を保つことができます。

女性の子宮や卵巣は体の中にあるのに対して,精巣の位置は大きく違っていることがわかります。

<図挿入>

勃起

勃起(ぼっき)というのは,男性の生殖器である陰茎の海綿体組織が血液で満たされて硬くなる現象を指します。陰茎は尿道とともに性交時に重要な役割を果たす器官であり、勃起は性的興奮や刺激によって起こる自然な生理現象です。女性にもわかりやすく解説するために、勃起のメカニズムや重要性を解剖生理学的な側面から詳しく説明します。

  1. 陰茎の構造と海綿体 陰茎は、根元から先端にかけて、3つの円筒状の海綿体と1つの海綿体の上に覆い被さる包皮から成り立っています。陰茎の先端には尿道口があり、尿と精液の排出を行います。また、陰茎は副交感神経と交感神経によって支配されており、勃起と緊張状態(収縮)を制御しています。
  2. 勃起のメカニズム 勃起は、性的興奮による脳の刺激から始まります。脳が性的刺激を受け取ると、性的興奮に関連する神経伝達物質である一酸化窒素(NO)が放出されます。NOは、陰茎内の平滑筋の弛緩を引き起こすため、海綿体の血管が拡張します。

血管が拡張することで、陰茎の海綿体に血液が流れ込み、空間が充満していきます。この海綿体が血液で満たされることで、陰茎は硬くなり、勃起が生じます。この過程には副交感神経が主に関与しており、性的快感や性交を可能にする重要な段階です。

  1. 勃起の重要性 勃起は、男性にとって性交や性的な経験をするための必要な生理現象です。勃起が起こることで、陰茎が十分な硬さと大きさになり、性交時に女性の膣に挿入することが可能になります。これにより、精液を子宮に送り届けることができ、受精と妊娠の可能性が生じるのです。

勃起はまた、性的な喜びや満足感をもたらす重要な要素でもあります。性的興奮と快感は、脳と身体の複雑な相互作用によって調整されており、勃起はこの快感と密接に結びついています。性的な健康や満足感にとって、適切な勃起が重要であると言えるでしょう。

  1. 勃起の制御と性的機能障害 勃起は、自律神経系や内分泌系など、様々な要因によって制御されています。性的興奮を妨げるストレス、心理的な問題、または身体的な障害があると、勃起に問題が生じる可能性があります。勃起に関連する問題は性的機能障害として知られており、勃起不全(ED)がその代表的な症状です。

勃起不全は、勃起が持続しないか、達成できない状態を指し、さまざまな原因によって引き起こされることがあります。心因性、器質性、または両方の要因が関与することもあります。性的機能障害は心身の健康に大きな影響を及ぼすため、専門的な治療やカウンセリングが重要となります。

勃起は男性の性的な生理学的な側面であり、性的な満足感と健康にとって不可欠な要素です。性的興奮と快感に影響する複雑なプロセスによって制御されており、適切な身体と心の健康が勃起の良好な維持に重要な役割を果たします。性的機能障害が生じた場合には、医療の専門家の診断と治療を受けることが大切です。

精通

精通は初めての射精のことです。およそ,13-15歳ごろに精通を経験すると言われています。

射精は,精液精子前立腺液)を体の外に一気に出すことで,射精と同時に,オーガズムと言われる性的な強い快感を感じます。

射精するときにはペニスが勃起しているように思いますが,勃起せずに射精することもありますし,勃起していても射精できないこともあります。

包茎

包茎(ほうけい)とは,陰茎の亀頭部分が皮膚(包皮)で覆われている状態のことを言います(仮性包茎とも言われます)。
真性包茎嵌頓包茎(かんとんほうけい)の場合には治療が必要です。

若い男子のなかには,包茎であることは恥ずかしいこと,未熟であることのようなイメージがあります。

それゆえに,包茎をなんとか治したいとか,恥ずかしいから見せられないと悩む人もいます。

おそらくこれは,メディアを通してしかけられた結果であると思います。

包茎恥ずかしいこと・モテない

ということになれば,それだけ手術を受ける人も増えますし,売り上げにつながります。

包茎は病気ではないですし,日本人の7割ほどは仮性包茎とも言われています(包茎だから付き合ってくれない,結婚してくれないということはあるでしょうか??)

仮性包茎を治療しようとするよりも,まずは,ペニスの形からどうしても溜まってしまうカスの存在を知って,毎日きれいに洗うことをやってみてはどうでしょうか。

清潔感を重視することは,もちろん自分自身の健康にも関係しますが,パートナーとなる人のことを大切にしていることにもつながります。ぜひ考えて頂けたらと思います。