地域における性教育普及の必要性
みなさんこんにちは。本日はゆるっと性教育の新しい取り組みについて途中経過のご報告をしたいと思います。
新しい取り組みは何かというと,”地域での性教育の普及“です。
性教育と言いますと,小学校から高校のカリキュラムの中で行われる学習のことを想像しますが,現在のところ性教育の実施を学校だけにお願いするのは様々な理由で難しいと考えています(理由は後ほどお伝えします)。
では,学校での性教育の実施が難しい場合にはどうしたらいいかと考えてみますと,実施が考えられる場所として家庭,企業,地域,などが考えられます。
家庭でどのように性教育を行なっていくかについては別の機会にまとめたいと思いますが,性教育を行う場所を広げていくことで教育機会を増やし,教え伝えられる人材を増やすことでまたさらに教育機会が増えていきます。
性教育の内容は日常生活のなかの特別な瞬間にだけ使う知識,スキル,態度ではなく,日常的に使うものが多く含まれています(人間関係,人権など)。
だからこそ,性について学ぶタイミングも,性教育を学ぶ特別な日を設けるのではなく,日々のいろんなタイミングで学ぶことができるといいなと思います。
とくに学習者の興味が出てきた時にタイムリーに学ぶことができると最高だと思います。
地域で性教育を行うことのメリット
地域において性教育を行うメリットとしては,2つのことをあげたいと思います。
- 親子で地域の防犯に取り組むことができる
- 家庭,学校以外の,”第3の場所”で学ぶことで子どもが話しやすくなる
1つずつ説明します。
親子で地域の防犯に取り組むことができる
地域以外の場所で行った場合に,デメリットが多くなることが考えられます。
性教育を,学校と家庭以外で行う際に,たとえばどこかの企業が行ったとしましょう。
その企業は,お子さんの住む地域のことを知っているでしょうか?
学んだことをすぐに地域で生かすことを考えた学びができるでしょうか?
もしかしたら,せっかく企業に行ってもらっても,お子さんが住む地域の環境に活かせないかもしれません。それでは意味がないですよね。
性をポジティブにとらえたり,防犯について学んだとしても,自分の住む場所でどうやって生かすのかがお子さんや親御さんに託されては,学習効果が半減してしまいます。親御さんとしても困ってしまうでしょう。
もし地域で性教育が行われたとしたならば,地域の特徴を反映した学習をしやすいです。
また親御さんも参加したり,また教育内容の作成に親御さんが参加することで,性教育活動にやる気をもって,問題意識をもって参加してくれるようになることでしょう。
つまり,地域特性を活かした性教育ができることに加えて,親御さんの参加意識を高めることもできるというメリットがあるのです。
家庭,学校以外の,”第3の場所”で学ぶことで子どもが話しやすくなる
なぜ”第3の場所”が必要なのか,ということです。
子どもは,家で見せる顔,そして学校で見せる顔に違いがあることがあります。
親に見せたい自分,学校で表現したい自分,が異なっているということです。
性教育はどうしても子どもが恥ずかしがったりする部分もあると考えられるため,親や先生方からは学びたくないというお子さんもいるかもしれません。
また,性に関する悩み事は,親や養護の先生ではなく,それ以外の大人に相談したいと思うこともあります。
親と子,先生と生徒,という関係性のなかには,どうしても評価する-評価される,という関係も入ってしまいます。その関係性から抜け出して,自由に学ぶためにも,第3の場所があるとよいと思います。
学校で性教育を行う難しさ
性教育は学校で行うもの(不十分だけれども…),という考えは多くの方がもっている考えだと思います。
文部科学省は,「性教育」という言葉は使わないようにして性教育にあたる教育を一部取り入れています。
しかしながら,そもそもその性教育にあてることができる時間が非常に少ないというのが現状です。
さまざまな教科があるなかで,どこに性教育を入れるのかというのはもうこれ以上無理な問題と言えるでしょう。
さらに,最近では”○○教育”という呼び名の教育が流行っています。
ICT教育,人権教育,金融経済教育などなど
それらの教育が,この余裕のない時間割のなかに「我こそは!」と入ってくるのです。とても性教育の入る余地がありません。すでに入れてもらっている性教育ですから,入っているだけよいのかもしれません。
私が一番大きな問題だと思っているのは,先生方の忙しさです。
さきほど書いたような○○教育もそうなのですが,クラスづくり,生徒個別のフォロー,保護者対応など,先生にはたくさんの仕事があります。そのようななかで,さらに性教育を行なっていくのはかなり難しいです。
養護教諭の先生が担当してくださって,担任の先生と連携して行うことがほとんどだと思いますが,ひとりの養護の先生が行うことも非常に難しいところがあるかもしれません。
だからこそ,地域と連携する必要があると思うのです。
今後の展望
さて,地元の小学校に行き,娘の担任をしている先生,そして養護の先生と,ゆるっと性教育が行いたい活動について話してきました。
先生がたは忙しい時間の合間をぬって話し合いの時間をつくってくださり,非常に有意義な話し合いができました。
私からは,PTAとの連携の仲立ちや情報共有の場所として学校に少しお力を借りたい,ということをお伝えしました。
また,学校での授業との連携をするために,授業内容の情報交換などもさせていただきたいということもお伝えしました。
簡単にいかないことはわかっていますが,まずは私たちの住む地域での活動が始まっていけばと,強く思っています。
今後動きがありましたら,また報告していきたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました
ゆるっと性教育