昨日zoom性教育としてはじめての男性限定イベントを開催しました。
かねてから,男性への性教育が特に足りないと思っていましたので,どうしてもやりたかったイベントでした。
AVとの出会い・記憶
やはり初めて見るAVって,衝撃的なものです。
親のセックスを目撃することでトラウマになるケースがあるそうですが,親ということでなくても,男女が裸で交わっているところを見るのは衝撃的だと思います。
その時どう感じたのか。
また,今の私たちにAVが何か影響を及ぼしているのか,ということも見逃せないところだと思います。
人によっては,AVを見る前に,映画の中でのセックスシーンを観ている人もいるので,それが緩衝材になっていることもありそうです。
AVのフィクションと女性の体
AVの中でよく扱われるものとして,濡れていることを確認すること,があります。そして,潮吹きさせること。また潮吹きと関連しますがイカせる,ということもあります。
濡れていることを確認して,あなたはスケベだ,興奮してるんだねと決めつけ,イカせ,潮吹きさせるという,女性の生理的反応を男のテクニックによって生じさせ(ているように見せる)るのです。
男性の支配欲,征服感が相まって,この行為による満足感が高まるのでしょう。
しかし,この濡れるということ。本当に興奮しなければ濡れないのでしょうか。
違います!
この生理的反応を身勝手に理解していると,独りよがりな態度に陥りますし,女性の体を傷つけたり,痛みを生じさせる危険もあります。
また,イクこと,潮を吹くことついても,それに伴う女性の気持ち,「イク」「潮吹き」ってどういうことなのかの生理的反応を知らないと,独りよがりな男性を生み出すこととなってしまいます。
AVを見ていると,こういった生理反応が当たり前のように起きているように見えますが,そこにはさまざまなカラクリがあることもご紹介しています。
このパートではこの点について学ぶことができたのではないかと思います。
AVのフィクションと男性の体
男性限定イベントということもあり,女性の生理的反応についてはじめて知ることが多かったのではないかと思います。
それに対して男の体のこととなると,自分の体のことは全て知っていること,そしてその一方でAV男優さんと同じことはできないと諦めていることもあるかもしれません。
若い人であればいろんな体位,連続して行うセックスなど,AVのようなセックスができると思います。そして現実にはAVに似たようなセックスもしてしまうこともあります。これがいけないということではないですが,パートナーを置き去りにしているとしたら,望ましくないと言えるでしょう。
男性はセックスにおいても強い,時間の長いセックスをしなくてはという思いを持ちがちですが,AVにはカラクリがあります。
長いセックスができる仕組みがあるのです。
もちろん全てがそうではなく,男優さんの日々の鍛錬によって持続力が高いということもあります。
AVのフィクションとノンフィクション
”AVはフィクション”
これはAVの関係者の方や性教育をされている方から聞く言葉です。
しかし,フィクションと言われても,実際に再現することができる行為が多いこと,実際にAVを手本としている人も多いこと,生理的な反応が多く含まれることなどから,フィクションと言うのはわかるけど,そうは感じていない人もいるようです。
では実際にどのようなフィクションがあるのか。
もちろんシチュエーションとしてのフィクション,合意なきセックス,レイプなど。
そして,体の一部や生理反応についてもフィクションとして再現していることもあります。
これから私たちにできること
まずこの”私たち”というのが誰を指すのかということですが,パートナーがいて,その人とのセックス,あるいはその人との付き合いという視点で考えてみたいと思います。
これは,AVが真実だろうが,フィクションだろうが,それとは関係なく,目の前のパートナーがどう感じ,自分はどのように考えているのか,それが大切だということです。
かりにAVがフィクションであり,他のメディアで本当のセックス時の女性の気持ちが語られていたとしましょう。しかし,その語りがあなたのパートナーの気持ちと同一のものであるかどうかはわからないのです。
目の前のパートナーから聞くか,感じ取るしかないのです。
だから,盲目的に,独りよがりにセックスをするのではなく,相手とさまざまな確認をしながらセックスすることが大切なのではないかと思います。あるいは,セックス後にベッドでハグしたり,愛を確かめ合いながらセックスを振り返ることもよいかもしれません。
ぜひみなさんのトライの感想を聞かせていただけたらと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ゆるっと性教育