セミナー/ワークショップ

“性の健康”講座 子どもの性に関する悩みを優しく解決 報告レポート

2020年1月,ずっとあたためてきた,そしてずっとやりたかった講座がスタートしました。

親御さんにとってはとっても気になる子どもの成長と性行動。そして性犯罪の被害。

これらに関する現状がどのようになっているのか。

様々なデータを示しながら,参加者の方たちと一緒に子どもが置かれた環境について考えていきました。

講座の内容

この日の講座は,以下の内容で構成していました。

  1.  講座の趣旨とめざすもの
  2. 「せっくすってなーに?」への対処
  3. 子どもの自慰/セルフプレジャーを見てしまった。どうすればいい?
  4. 子どものスマホ利用による交友関係が気になる。どうすればいい?

初回の講座ということもありますが,わたしが目指していることーセクシャルヘルスを学ぶことができる常設のスペースを作ること。これを目指していきたい。

この想いについて最初に語らせていただき,講座が始まりました。

テーマ:「せっくすってなーに?」への対処

自分の子ども,あるいは知人の子どもから,「せっくすってなーに?」なんて聞かれることがあるかもしれません。

皆さんだったらなんて答えますか??

こういう子どもの疑問って,急に来るんです。

こんな質問が,それも急に来たらすごく困りますよね。

ですから,もしかしたらいつかこの質問が来るかもしれないと考えて,備えをしておく必要があります。

具体的に,セックスに関するどのようなことがらを説明するのか,ということが私たちとしては気になるところですが、講座で伝えたのは態度です。

どういう心持ちでこの質問に答えればいいのか。このことについて伝えています。

この態度は非常に大切で,態度が欠けていると子どもたちにうまく伝わっていきません。

そしてこの態度が出来上がると,急な質問にも答えることができるようになります。

そして,子どもとの関係性を築いていくことができるようになります。

 

テーマ:子どもの自慰/セルフプレジャーを見てしまった。どうすればいい?

うっかり,たまたま,お子さんの自慰行為を見てしまうことがあるかもしれません。

それはもうびっくりして,悩むことも増えるかもしれません。

しかし,この悩みって,実はただの噂話を信じて生まれている可能性が高いのです。

そんな言説についてお伝えしました。

自慰しすぎると頭が悪くなるの?
自慰しすぎると死ぬの?
自慰しすぎたら将来精子が作られなくなるの?

こんな噂話があるかもしれません。ひとつひとつにお答えしました。

危険な行為としてではなく,ポジティブに捉えられるような学び。これが必要です。

そして,もし自慰行為を見つけて,親としてアドバイスするならば,どんな関わり方ができるのかを伝えながら,考えてみました。

最後に,誤った自慰行為の方法というものがあります。それはどんな方法なのか。根拠を示しながら,なぜその方法が誤っているのか。そして危険につながるのか。よくご理解いただけたと思っています。

 

テーマ:子どものスマホ利用による交友関係が気になる。どうすればいい?

スマホ利用を取り巻くネガティブな側面を理解していただきながら,じゃあどうやって親として対処していったらいいのか。

この点について共有していきました。

スマホの利用については,犯罪に巻き込まれる危険が非常に高いということ,そして,有害な刺激が子どもたちに伝わってしまうという2点について解説しました。

そして

  • 子どもたちがどのくらい犯罪に遭遇しているのか。
  • 子どもたちがどのようなSNSで被害に遭っているのか。
  • 子どもたちと加害者の関係性はどうなっているのか(誰から被害を受けているのか)。

このような項目については情報共有しながら,スマートフォンの使用やSNSの利用への注意喚起をさせていただきました。

 

おわりに

この性教育の講座を通して,親御さんたち,あるいはこれから親になっていく若者に伝えたかったのは,こういうことです。

ネガティブな情報で子どもを脅して行動変容させるのではなく,子どもを尊重して,少しでも自分で判断できるような人間に育ってもらうことを目指す,ということです。もし自分で判断できなければ,相談してもらえるような大人になっていきましょう。

これに尽きます。

子どもに関する性の悩みの解決に向けた情報提供,または対応の仕方についてお伝えしました。単にテクニックに走るのではなく,そのテクニックを使うための心構えや態度,その点を強調してお伝えしました。

いっけん効果的なテクニックを使っているようで,実は子どもをコントロールしたいがためのテクニックになっているかもしれません。それでは本末転倒です。そうならないために,ゆっくりと,大切に態度については学んでいきたいと思っています。

ぜひ次回もご参加いただけたら嬉しいです。

 

ゆるっと性教育